BEAM: タイに逃れたミャンマー人のための松下村塾


ミャンマーからタイに逃れた若年層を対象にチェンマイで実践的な高等教育機会を与えている非営利教育機関BEAM(ビーム:Bridging Educational Access for Migrants)を訪ねた。タイなどに不法入国するミャンマー人の数は年間200万人に上ると言われているが、諸事情あってタイに流れ着いた志ある若年層が高等教育の機会を得られるようにと2年前に設立された機関である。大学進学を目指す生徒へのアカデミックコース、DTPやウェブデザインなどクリエイティブスキルに特化した職業教育コースを提供している。将来的にはタイで経験を積んだミャンマー人の若年層が自国に戻って、国を良くするために活動を展開していくような架け橋(Bridge)になりたいと創業者が話してくれた。

ファカルティメンバーとのディスカッションの後、生徒のみなさんと懇親を深める機会を頂いた。個別に話を聞いてみると、年齢は18歳〜30歳と幅広く、出身もカチン族やシャン族など多様なバックグラウンドをもつこと分かった。社会的には不法入国の扱いとなってしまう彼らは経済的にやはり厳しい状況に置かれており、殆どの生徒はマーケットなどで仕事をしながらBEAMプログラムに通っている。寝る時間を削ってでもプログラムに参加するのは、社会を生き抜くスキルや知識を身につけなければ現実的に良い仕事を得ることができないという事情もある。様々な逆境の中で取り組む姿に感銘を受けるとともに、BEAMが松下村塾のように時代を動かす原動力の一翼を担うポテンシャルとなることを願いたい。