タイから世界を考える:Southeast Asia Program 2012


気温0度の日本から気温30度のタイへ。今年も非営利教育機関 Learning Across Borders のスタディープログラム Southeast Asia Program 2012 を決行。日本人を中心にアジアの学生30名弱でタイ・マレーシア・シンガポールの3ヶ国を巡りながら、17日間にわたって各国の抱える社会問題の現場を体感して理解を深めるプログラム。ディレクターのドワイト・クラークさんとともに企画・運営に携わって12年目となり、プログラム自体も毎年アップグレードを重ねてきた。自身は仕事の都合で今回は1週間弱のみのタイの現場随行となったが、意識の高い参加者のみんなとともに過ごす貴重な時間は何物にも代え難い。名残惜しい気もちは山々ながら、グループを見送って一足先に帰国の途に就いた。


プログラムのタイ篇では、バンコク市内を巡りながら社会問題への理解を深めるきっかけをアレンジしている。チュラロンコーン大学でタイ政治事情の権威 Thitinan Pongsudhirak 教授のブリーフィングを経て、Human Rights Watch バンコクオフィスの担当官と人権問題を議論、バンコク最大のスラムを歩いて現場を視察…。様々な角度からタイの社会問題を考察すると、政治問題や都市問題など構造的な要因に接続していく。参加メンバー同士でディスカッションも深めながら旅するプロセスが非常にインスパイアリングで、この短期間に思考のパラダイムシフトが起こるのはマジカルと言ってよい。物の見方で世界は変わる。そのような機会づくりを引き続き推進していきたい。