黒島フォールドアウト

毎年8月になると必ず行きたくなる沖縄の八重山諸島。これまでに、石垣島・竹富島・西表島・与那国島・波照間島と5つの離島滞在経験はあったが、まだ足を踏み入れたことがなかったのが黒島である。とにかくのどかな島だと聞いていて、何かじっくり思考を整理したいときに最適の地だと思っていた。ちょうど僕が年間で最も元気になる夏に構想実現の母体となる新組織を立ち上げたいと思っていたので、夏の青空が広がる中で海と牛を見ながらその最終準備をするというアイデアを思いつき、黒島にフォールドアウトすることにした。


午前は渋谷のど真ん中にいたのに午後には何もない黒島に。このワープ感が最高。船で黒島に上陸すると、確かに“のどか”。早速、民宿の自転車を借りて島をぐるっと一周した後は仲本海岸でスノーケリングに突入。実は、ここ数年で発見したのだが、泳ぎながら頭の中にパワーポイントのウィンドウを立ち上げて事業計画資料を作成すると何故かいいスライドができる。したがって、僕がスノーケリングをしているとき、色鮮やかな魚たちは動くデスクトップの背景画像。むしろスクリーンセーバーか(魚よ御免)。

ともかくも、360度パノラマ・デスクトップのお蔭で次々とアイデアが出現、宿に帰ってPCに高速タイピングをしていると、「作家さんですか?」と宿の方。「いや、ただの旅人です」と僕の回答。黒島滞在初日から好調な滑り出しを実現した。ずっと日焼け止め無しで自転車に乗っていたため皮膚も黒島になっていたことに気づいた夜だったが、離島的テンションでアイデアの溶鉱炉は燃え続け、これまでパーツで存在していた考えの組み立てが進んだ。このペースでいけば、何とか予定通り、新組織の立ち上げができそうだ!