NPO論@獨協大学:理論と実践のツインドライブ


自分の専門領域である非営利組織経営論をテーマに大学で教鞭を執らせて頂く招聘講師としての活動も今年で5年目。今日の午後は、獨協大学にて全学総合講座『NPO論』の講義を担当。学部1年生を中心に300名弱の学生のみなさんを対象として大教室で展開する濃密な90分で、今日の具体的なトピックには、自身が10年近く取り組んできたキャリア教育の非営利事業を取り上げた。なぜキャリア教育に着目して、8年前にNPO法人キーパーソン21でキャリア教育プログラムの体系化に参画したのかを率直に共有した上で、具体的な各論に踏み込んだ。

いつも通り、自分の講義スタイルはエンタメ性を加えた白熱教室型で、事例紹介で終わることなく理論化して総括することを旨としている。半分は講義形式で、もう半分は大教室まるごと巻き込むワークショップ形式。普段は小中学校で30人程度のクラスを対象に90分かけて行うキャリア教育ワークショップのエッセンスを抽出して、300人弱の大学生を対象に30分程度で行う特別編を展開。実際に体感することで、キャリア教育とは何か?非営利教育活動とは何か?非営利組織経営とは何か?ということが理論として腹に落ちる。


今日のワークショップ特別編は、ゲーム感覚で自分のすきなものを洗い出し、そのキーワードに関連する仕事や職業を連想するというもの。高校時代に飲み会で多用されていた山手線ゲームにヒントを得て、大学時代に「山手線ゲーム式ブレストW/S」としてマニュアル化した原案をベースにNPOで商品化した教育プログラム。要は、ゲーム感覚で半ば強制的に発言せざるを得ない空気感を自然に作るという山手線ゲームの原理に着目し、自分のすきなものをブレスト的に吐き出す授業を着想した。今日の特別編は、そのサマリー版となる。

1年生のみなさんにとっては入学後初月の講義ということもあって、授業後に興味をもって話かけてくれる方々が多かった。やはり「自分のすきなことを基点としてキャリアを設計する」ということに強い潜在ニーズがあるのだと思う。このように活動の意義が体感的に伝わると、はじめてNPO活動やNPO経営について意識が向く。その際に明快な理論を説明し得るか否かが最大のポイントで、社会起業やらイノベーションやらフワフワした概念が横行する中、理論的な説明に挑戦したい。理論と実践のツインドライブこそ、ブレイクスルーの原点と思う。