気仙沼・陸前高田・大船渡の被災現場調査


一関で雪道走行用4WDのレンタカーを確保して、気仙沼陸前高田大船渡へ。これまで何度も被災地の現場を訪ねてきたが、震災から9ヶ月経った現場を自分のペースで改めて理解したいと考えて沿岸部の実地調査を決行した。雪の舞い散る山道を駆け抜けて気仙沼に到着した後、被害の大きかった沿岸部に入り込んで隈無く視察していくと、改めて地盤沈下のインパクトを肌で感じずにはいられない。海辺での1m弱の地盤沈下の結果として、海水が音を立てて流れ込む敷地や水没した舗道が随所に目立つ。こうした地区は“盛土嵩上げ”される計画ではあるものの、実際に現場を見ていると、ここに盛土した上に施設や住宅を建てて本当に大丈夫なのだろうかとの素朴な懸念が沸き起こるのも事実。生きた地面と如何に折り合いをつけて生きていくのかという問いを意識せずにはいられなかった。


車の進路を北に向けて陸前高田大船渡へ。ここでも地盤沈下後の土地再生は大きな課題。沿岸部は高く積まれた土嚢が目立ち、海面が高いのか?それとも地面が低いのか?と不思議な感覚に襲われる。各地で盛土嵩上げの工事が進められているのだが、ここにどのような生活空間を形成していくのかについて考えると幾つかの大きな論点が見えてくる。一つは、自然との共生という大前提における防災・減災の生活空間形成。もう一つは、少子高齢・人口減少時代に応じた生活空間形成。これらの論点に正面から向き合いながら復興まちづくり計画を詳細化して合意形成を得るプロセスは容易ではない。しかし、復旧の延長線上で進めてしまえば無機質な町が再現される公算が高い。それならば、何かできるアクションをとってみたい。批評家はいらない。為すか、為さぬか。Just do it!!