気仙沼の復興まちづくり最前線
東京大学の都市持続再生学チーム(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻)の20名弱で宮城県気仙沼市を訪ね、復興まちづくり条例策定のための現場調査を実施。壊滅的な被害を受けた気仙沼の市街地を歩き、3.11から満8ヶ月を経た街の現状を探った。過酷な状況からの復旧が進むも、やはり1,000を超える尊い命を吞み込んだ津波の爪痕の深さを肌で感じずにはいられない。潮位の変動とともに冠水を繰り返す区画、警察署前に横転し続ける漁船、地盤沈下のために嵩上げされた道路…。復興という言葉の重みが身体に響く。
ここ気仙沼は、自身が復興支援プロジェクト「道のカフェ」の活動フィールドとして恊働させて頂いてきた経緯があり、今回、東大チームでのフィールドも偶然重なった形となる。先月も「道のカフェ」の現場(映像)にて、松下政経塾の先輩にあたる小野寺五典代議士や気仙沼市の舵を取る菅原茂市長と対談をさせて頂いたばかりで、実にタイムリーな展開。3.11直後からの救援物資プロジェクト、初夏からのコミュニティ再構築支援プロジェクト、そして、この秋からのまちづくり支援プロジェクトと、ご縁が重なる形で現在に至っているように思う。
午後から市民会館にて気仙沼市役所各課の皆様とのディスカッション。企画政策課、まちづくり推進課、水産課、都市計画課、商工課より現状と課題を中心にお話を伺った上で具体的な意見交換を展開した。議論の争点は、10月に打ち出された気仙沼市震災復興計画。「海と生きる」というタイトルを冠した本計画は気仙沼市のマスタープランに位置づけられ、いかにその実現を図るかが最大の論点となる。経営戦略の立場から見ると、企業で言う中計(中期経営計画)の揉み直しと実行体制の議論そのものである。
気仙沼を含む多くの被災自治体の復興計画策定には都市計画コンサルが関与しているが、この分野に言うコンサルの種別を紐解くと殆どがインフラ系またはシンクタンク系。勿論、その専門支援は必要。ただ、自身が現場に入りながら見えてきたのは、この分野にこそ経営戦略の知見をもつマネジメントのプロフェッショナルが必要だという仮説である。全体戦略設計とPMOが機能してこそ、ハードとソフトの各論が活きてくる。指揮者なしのオーケストラでは調和的な演奏は難しい。マネジメントという専門職能はもっと見直されてもよいのではないか。
そんな思索を巡らせながら、夜はプレオープンしたばかりの復興屋台村へ。被災された飲食店の皆様が集まって出店した仮設商店街。どの店も満員御礼に近い大盛況のなか、何とか席を確保できた気仙沼ホルモンのお店で肉を焼いていると、サンドウィッチマンも取材で駆けつけて入ってきた。プレオープンの夜が次第にフィーバーしていく。その空気感に包まれながらシンプルな原理を思い出す。復興には計画や制度も必要だが、やはり事を為すには論理を超えた人のエネルギーが必要。何事もやってみなければ始まらない。だから、Just do it!!