紅葉の日光探訪:日本文化とまちづくり論


秋深まる11月、紅葉が色づく日光へ。1999年に世界遺産として登録された「日光の社寺」を巡りながら、日本文化とまちづくりの関係性について考察していた。ちょうど先月、東京大学にて「日本の文化は日本の都市や集落等のまちづくりにおいて、どのような役割を担っているか」というテーマで議論した経緯もあり、この時期の日光散策は討議内容のフィージビリティスタディには最適であった。“日本の文化とは?”というと議論は発散に向かうことが多いが、論理的に収束させてみると実は興味深い。一つずつ思考の原点を紐解いていくことで、何を日本の文化と定義付けているのか見えてくる。

人によって日本文化の定義は異なるのだろうが、世界30ヶ国を遍歴して日本を見たとき、自分は“万物に生命が宿る”という価値観に日本らしさを強く感じている。その価値観が日本に脈々と流れているからこそ、あらゆる素材の持ち味(=生命)を活かすという視点が生まれ、自然と生活様式に展開されているように思う。神社はその典型。社殿と木々の調和、絶妙な借景のバランス、温かみを感じる建材…。境内を歩いて感じる「心安らぐ日本らしさ」。海外では味わえない“この感じ”は何か。きっと神社の随所に表現された“万物に生命が宿る”という価値観に少なからず反応しているのだろう。日本文化に根ざしたまちづくりを深堀してみたい。