バルセロナの生鮮市場



オランダからスペインへ約2時間の空の旅。バルセロナに降り立つと雲一つないブルースカイ。カタルーニャの日差しが妙に心地良い。ナチュラルハイで向かう先は、サン・ジュセップ市場。バルセロナで最大規模の生鮮市場と言えばここしかない。朝から活気づく市場には、野菜、果物、肉、魚、乾物などがズラリと並ぶ。バルセロナ市民の台所にして、他国からの旅人にも開かれた魅惑の台所。色鮮やかな食材に魅せられて、つい何度も市場内を周回してしまう。次々と市民や観光客がやって来て、市場の活気は朝からメガマックス。新鮮で多様な食材というのは、古今東西、人の普遍的な関心事なのだろう。

一方、自身の関心事は、観光まちづくりにおいてローカルの生鮮市場がもつポテンシャルにある。すなわち、地域の旬の食材を集約した市場という空間が、外部から人々を呼び込む求心力となる構造。食をフックとして人的トラフィックを生み出し、飲食・宿泊・物販・ツーリズムなどの観光産業に接続させることで、地域経済のエンジンを作るというメカニズムに関心がある。サン・ジュセップ市場は、自身の仮説の検証を進める上で一つの参考となった。但し、最も確実に検証されたのは、エビとムール貝の美味であったことは言うまでもない。搾りたてオレンジジュースに乾杯。