大盛況!道のカフェ@気仙沼大島


昨年初夏に企業連携体制で立ち上げた「道のカフェ」もシーズン4へ。昨年末から新規フィールド設計の調整に入り、地道な立ち上げ準備を経て、道のカフェ@気仙沼大島の実施に漕ぎ着けた。金曜に一関に前乗りしてチームメンバー8名と合流し、翌朝に早々と車で気仙沼に移動した後、気仙沼カウンターパートの武田雄高さんと合流。港からフェリーで大島へ渡航して、早速、チームでカフェ会場へと向かった。今回、カフェを設置したのは、島の中心街に位置するスーパーコックス併設の駐車場敷地内。島民の皆様が足を運びやすい、地域コミュニティの結節点。事前の口コミ効果もあって、「道のカフェ」には開店前から長蛇の列が出現した。


道のカフェ」は、単なる炊き出しではなく、カフェという空間を通じて地域コミュニティの再生をご支援させて頂くことにプロジェクト設計上の特徴がある。勿論、いつもパーフェクトにワークするわけではないが、島民の皆様がカフェ空間でスターバックスのVIAラテを飲みながら話を弾ませている様子を見ると、ささやからながらも復興の道のりに彩りを加えるお力添えをさせて頂く意義を覚える。「道のカフェ」の会場では、元気よく走り回るお子さんや、両手にコーヒーを持ちながら歩くおばあさんの姿が見られ、気がつけば僅か3時間で約400人がカフェにお越しになる大盛況となった。


また、今回は日本を代表する版画刷師の加山智章さん&工房の皆様、画家の津上みゆきさんとの連携で、カフェ空間内に版画工房コーナーを設置した。昨年、自身が東京大学で折に触れて「道のカフェ」の取組を紹介させて頂いていたところ、都市工学でご一緒している東京藝大出身の大木さんが関心をもって下さり、版画工房エディション・ワークスさんとの出会いに繋がった。ブレストを進める中で、地域の皆様が銅板に描いた絵を版画ハガキに刷り上げる企画を着想。現場では見事に、小さなお子さんからおじいさんおばあさんまで銅版画に熱中!「道のカフェ」には、コーヒーの香りとともに文化の香りが漂った。


震災から2年目となるが、今回、気仙沼大島の実地を見るに、やはり津波の爪痕は深く重い。それでもなお、地域の皆様は厳しい現状に対峙しつつ前進していかなければならない状況にある。無論、政治・行政も復興に向けて最前を尽くしていると思うが、そこに全てを期待するのが幻想であることは明らか。住民側にできることは率先してやっていなければ道は拓かれない。だからこそ、地域コミュニティ内の対話の機会が極めて重要となる。そのような機会づくりのためにも、地域の皆様が気軽に足を運べる場として「道のカフェ」が少しでもお役に立てればと思う。そして、道は続く。

道のカフェ@気仙沼大島のプロジェクトチーム